ねこの森から出たくない

すきなことをまとめたりするのが目的というか目標というか

「魔法使いの約束」と「ツイステッドワンダーランド」レビュー

どちらも「魔法使いたち」の物語であり、
しかし主人公は魔法など使えないただの一般人
という類似点のある女性向けアプリ二作品をプレイしたので、
レビューというか所感を綴りたいと思います。
先に結論から言ってしまうと、
気になっている人は両方やるべきかと。

※ATTENTION※
筆者はFGOことFate/Grand Order
がアプリゲームで一番 シナリオが 面白いと思っている
菌糸類信奉者であり、
その源流であるstay nightが大好きな型月厨です。
予めご了承の上、お読みください。

■基本スペック
「魔法使いの約束」
https://mahoyaku.com/
サービス開始 2019.11.26
キャッチコピー 『月に愛されたこの世界は 傷だらけでとても美しい』
シナリオライター 都志見文太
キャラクターデザイン原案 ダンミル
世界観監修 かずまこを
主題歌 Mili

魔法使いと人間が共存する世界。
この世界では、空には大きな月が浮かび、人々はそれを<大いなる厄災>と呼び、畏怖している。
年に一度、その強大な力をふるって世界を襲う<大いなる厄災>に対抗し、"賢者の魔法使い"と呼ばれる
選ばれし魔法使い達の戦う日々が、今も続いている。
OPムービー
https://www.youtube.com/watch?v=NH6DZWsqme4&feature=emb_logo

シナリオライターの都志見文太先生、世界観監修のかずまこを先生はともに「図書室のネヴァジスタ」を手掛けたタッグです。


「ツイステッドワンダーランド」
https://twisted-wonderland.aniplex.co.jp/
サービス開始日 2020.3.18
キャッチコピー 『ツイステッドワンダーランドへようこそ 本当のハッピーエンドを見せてやる』
魔法の鏡に導かれ、異世界「ツイステッドワンダーランド」に召喚されしまった主人公。
辿り着いた先は名門魔法士養成学校「ナイトイレブンカレッジ」。
行く当てのない主人公は、仮面の学園長の保護を受け、元の世界へ帰る方法を探し始める。しかし、そこで待ち受けていた生徒たちは、才能豊かだが、協調性皆無の問題児ばかりだった!
はたして主人公は、彼らと協力し、元の世界へ帰ることができるのか?そして、ヴィランズの魂を持つ、生徒たちの秘密とは?

原案・メインシナリオ・キャラクターデザイン 枢 やな
ロゴ・ユーザーインターフェース・エンブレム・アイコンデザイン 越阪部ワタル
背景 アトリエムサ
音楽 尾澤拓実
主題歌 Piece of my world」歌:Night Ravens
オープニングアニメーション TROYCA
協力 ウォルト・ディズニー・ジャパン

越阪部ワタル氏は 輪るピングドラムユリ熊嵐などのデザインを手掛けており、ロゴやインターフェースの完成度はさすがの一言。
アニメーション制作のTROYCAは、FGOの第二部OPのアニメ制作や、ロード・エルメロイII世の事件簿、アイドリッシュセブン等のアニメも制作しているアニメ制作会社ですね。

■シナリオ
FGOのヒット以降、女性向けのアプリゲームにもシナリオを重要視する流れがあったのは大変喜ばしいことです。キャラより何よりシナリオを重視する筆者にとっては本当に大変にありがたいことです。
最初に特筆すべき点がここになるというのもさもありなん、
どちらもシナリオライターが女性向け界隈では有名な脚本家または漫画家の先生です。
まほやくの都志見文太先生は、最近では「アイドリッシュセブン」のシナリオでおなじみになったのではないでしょうか。筆者は未プレイなのですが、同人ゲームでありながら「図書室のネヴァジスタ」はあちらこちらで高評価を耳にしている作品です。
独特のキャラ付けと引きと伏線の上手いシナリオ展開は「先を読みたい!」という気持ちを掻き立ててくれます。
ツイステの方は、こちらもタイトルだけなら知らない方はいないのではないでしょうか、実写映画化もされた「黒執事」の原作者枢やな先生のもの。
残念ながら筆者は「黒執事」は未読なのですが、丁寧に描写されているストーリーは各キャラクターの魅力を巧みに引き出しています。

■ゲームシステム
個人的には、どちらのゲームもシナリオだけで一読…一プレイの価値あり、といったところですが、ゲームにとってシステムは重要(と筆者は思っている)。
軽く解説しますと、どちらも魔法使いたちを育成して戦うのが基本コンセプトになっています。
「まほやく」は育成パートのゲーム性が高く、その分とっつきづらくはあるのですが、育成ゲームが好きなタイプにはたいへんやりがいのあるシステムだと思います。
様々な特性のある育成用のスポットギミックを駆使し、いかに強いキャラを生み出すかという試行錯誤がこのゲームの醍醐味の一つといっても間違いではないでしょう。

「ツイステ」は逆に、育成パートは基本オート(ループオートも可能)で進むのですが、育てたキャラを使った戦闘の戦略の幅が広く、戦闘自体はじゃんけん形式(属性の強弱に合わせてカードを選ぶ)ですが、育て方やキャラ同士の組み合わせ(バディシステム)によっては属性を上回るアタックをすることも可能。

システムに関しても対照的と感じられる両作ですが、どちらにもオートのシステムが搭載されており、ゲームに集中できない時でもスタミナなどを消費できるようになっているのは今どきのアプリゲームさながらです。

■恋愛的要素の「なさ」
これまでの女性向けゲームについて、筆者はどうしても苦手でできない部分がありました。
それが「恋愛的要素」です。
男性キャラクターが女性の主人公に向けて恋愛的な好意をもって接するのが非常に苦手なため、大方の女性向けゲームを心底から楽しむことができないのが常でした。
「まほやく」「ツイステ」については、主人公がまほやくは男女の選択制、ツイステは明確にされておらず(学校は男子校であり、描写的に男性っぽい感じがしますが)現状では恋愛的な要素は見受けられません。
このため筆者にとっては非常にプレイしやすく、苦痛を感じることなくストーリーを読み進められるのが非常にありがたいです。

■まとめ
両作品どちらも、シナリオが丁寧に描写されており、キャラクターの魅力も十全に表現されているナイスシナリオゲームです。ゲームシステムも簡単すぎず、難しすぎず、ちょうどいい塩梅ですので、少しでも気になる方は触れてみるのが一番だと思います。

まほやくについては、システムが複雑なところもあるため、やりこみを始めるとかなりゲーマー的なこだわりが必要になってきますが、シナリオを読み進める分にはそこまでする必要はないため、ずっとオートで放置していても問題ないかと思います。
ツイステに関してはある程度キャラクターを育てなければメインのストーリーの戦闘が厳しくなることが予想されますが、こちらもオートでキャラクターを育てることができるため、詰むという状況はないでしょう。
どちらも独特の世界観ですが個人的にはまほやくの世界観が非常に儚さと脆さ、切なさを含んでいて好みでした。
一年ごとに世界の危機が訪れ、それに対抗して戦うという厳しい状況、こういうものが好きな方にはおすすめです(筆者はこういうの大好きです)。
また、大量の伏線があちこちに張り巡らされており、これからのストーリーの展開に大変期待がもてます。
ゲーム内では一章にあたる部分が既に完了していますが、まだまだ「序章」といった感じで、今後のストーリーの更新が大変楽しみな作品です。
またBGMに生音源が使われており、美しい旋律のBGMが多いです。これも見どころ(聞き所)の一つかと思います。

ツイステもこれからストーリーが進んでいくにつれ、様々な展開が待っているものと思います(現在筆者は2章クリアまでプレイ済みです)
ぶっちゃけた話ツイステは某有名魔法使いのハリ●タ的な要素が強いので(寮生といい、組分けといい、寮対抗のスポーツといいw)そういったシチュエーションが好きな方にはダイレクトにおすすめできます。
また、どこからどうみてもソウルジェム(@まどマギ)みたいなシステムがありますのでソウルジェム的な闇落ちシステムが好きな方にもおすすめです。
忘れてはいけない要素としては、ディズニーの世界をモチーフとしていますので、ディズニー好きさんにはニヤニヤできる部分が多いのではないでしょうか(わたしはあまりディズニー作品に造形が深くなく、残念な限りです)。
また、ツイステは個人的に効果音が大変心地よいのでそこを推します。音響制作が個別でクレジットされているだけのことはあるなと思いました。世界観の作り込みはディズニーの名を借りるだけのことはあってたいへん丁寧に仕上げられており、さながら絵本のような美しさがあります。

以上、2つの「魔法使い」を育てるゲームをレビューしてまいりましたが、
少しでも興味を持たれた方は、一度インストールしてプレイしてみていただきたいと思います。

なお、筆者はどちらのゲームについても
未だに推しが存在しない

のですが、どちらもストーリーの終了まで見届けたいなと思えるゲームでした。

強いて言うならまほやくはシナリオ推し、ツイステは効果音とUIの作り込み推しです。
以上、非常に個人的なレビューになりましたが、読んでいただいた方がどちらか、もしくはどちらの作品にも少しでも興味を持っていただけたのなら幸いです。

内容は置いといてわたしはアサシン派だったりする。


わたしは興味深いツイートをしている人のホームを見に行くという趣味があるのだけれど、そういうことをしていて偶然twitterで見かけたのが「桐生先生は恋愛がわからない。」だった。
同作は、「恋愛感情」がわからない漫画家の女性がいろいろな経験をして恋愛感情というものがどういうものなのか、わからないながらも奮闘するお話です。

こういう作品でよくある、実は恋愛したことがなかっただけで運命の人と出会い恋愛に落ちる…というパターンでは ない。
アセクシャルノンセクシャルという「恋愛感情をもたない」または「恋愛感情は持つけれど性的要求がない」というタイプの人間の視点を、実に見事に描き出していると感じました。

女性は恋愛が好きだとか、ひいては人は恋愛するものという固定概念のようなものに大学生の頃から異論を唱えていた身としてはこういうものにとても惹かれるのです。

どんなものかと裏サンデーの作品ページを見に行って、1,2話と読んだらなかなか面白かった。
セクシャルマイノリティを扱ったマンガは同性愛(ゲイ、レズビアン)や性同一性障害のものをちらほらと見かけるけれど、それらは基本的に「恋愛」が「当然」という前提で描かれている。
この作品は、セクシャルマイノリティにはあまり興味がないような人にはまだ認知度の低いだろう「アセクシャル」「ノンセクシャル」といった「恋愛」することが「当然」でない人間を描いた恋愛?コミックで、他ではわたしは見たことがない。とても面白かった。
主人公の桐生先生は幼い頃から「恋愛」という概念が理解できないという設定で、どういう感覚であるのか、恋愛が「当然」と考えている人にもある程度わかるように解説してくれているんじゃないだろうか。

わたしは、大学生の頃に「アセクシャル」や「ノンセクシャル」という言葉を知りましたが、その頃のセクシャルマイノリティというとほぼ性同一性障害の話ばかりだった(ゲイやレズビアンという同性愛者に関してもその頃はまだあまり陽のあたる場所にはなかった)。
アセクシャルノンセクシャルという「恋愛」することが「当然」ではないキャラクターが出て来るような時代になったのだなあ…と感慨深い気持ちにもなった。

わたしの感慨はともかく、マンガとしても面白い作品なので是非読んでみてほしい。
途中までは無料で読めるし、電子書籍もある。
5巻で完結するのである程度長さもありつつ長すぎずおすすめです。ぜひぜひ。

裏サンデーの作品ページはこちら
www.urasunday.com